その他の機材:同軸ケーブル、コネクタ、金具など電波を支える部品の選び方

アンテナ工事で使う、F型コネクターや中継接栓

テレビ受信環境を構築するうえで、アンテナやブースターといった主要機器だけでなく、コネクタ・ケーブル・取付金具などの周辺部材(アクセサリー)が、安定した映像を支える重要な役割を果たしています。ここでは、これらの「電波を支える静かな部品たち」の特徴と、沖縄での選定ポイントを解説します。


1. 電波の伝送路:同軸ケーブルとコネクタ

🔌 同軸ケーブル(S-5C-FBなど)

  • 役割:アンテナで受信した電波を、ロスを抑えてテレビや機器まで届ける「伝送路」です。
  • 種類:一般的にはS-5C-FBなどの規格が使われます。4K/8K放送には、信号の減衰が少ない低損失・高遮蔽(ノイズに強い)タイプのケーブルが必須です。
  • 🌊 沖縄での注意点:屋外配線では、紫外線や潮風による劣化を防ぐため、耐候性・耐塩害性のあるケーブルを選定してください。ケーブルが劣化すると、内部の信号減衰が一気に進みます。

アンテナ工事用の同軸ケーブル

アンテナ工事用の同軸ケーブル

🧩 コネクタ(F型接栓)

  • 役割:同軸ケーブルの先端に取り付けられ、アンテナやブースター、テレビの端子と接続する「接点」です。ねじ込み式のF型接栓が主流です。
  • 🌊 沖縄での注意点:屋外での接続部が最も腐食しやすいため、必ず防水キャップ付きの接栓や、ケーブル全体を覆う防水テープを併用し、水や塩分による接続部の腐食や浸水を厳重に防止してください。

2. アンテナの固定と耐久性を支える部品

📡 アンテナ棒(マスト)

  • 役割:アンテナを屋根上や壁面に高く固定するための支柱です。
  • 種類:素材は、錆びにくいステンレス製や亜鉛メッキ鋼管が使われます。
  • 🌪️ 沖縄での注意点:台風・強風対策として、細いマストは避け、太径(太いパイプ)のステンレス製タイプを選定し、揺れや折損リスクを最小限に抑えます。

🛠️ 取付金具(支持金具・ブラケット)

  • 役割:アンテナ棒や機器を壁面、ベランダ、屋根に強固に固定するための金具です。
  • 🌪️🌊 沖縄での注意点:金具の錆びはアンテナ脱落の大きな原因になります。必ずステンレス製(SUS)または、厚い耐塩害塗装済みの金具を選び、潮風による錆びの進行を徹底的に防いでください。

アンテナを設置する時に使う、取付金具

アンテナを設置する時に使う、取付金具


3. 特殊な配線が必要な場合の部材

🪶 フラットケーブル(サッシ用ケーブル)

  • 役割:窓やサッシを閉じたまま、屋外アンテナと屋内機器を接続するための薄型ケーブルです。賃貸住宅などで壁に穴を開けられない場合に重宝します。
  • 種類:地デジ専用、BS/CS対応、4K/8K対応などがあり、対応周波数を確認して選定します。
  • 🌊 沖縄での注意点:薄型のため、サッシの圧力による断線リスクがあります。耐久性の高いモデルを選び、屋外側の端子には必ず防水処理を施してください。

隙間からも配線できる、すきまケーブル

隙間からも配線できる、すきまケーブル


4. まとめ:小さな部品が映像を守る

ブースターや分配器が信号を調整するのに対し、これらの周辺部材は電波の安定供給と機器の長寿命化という、地味ながら極めて重要な役割を担っています。

特に塩害・台風・混信の脅威に常にさらされる沖縄の環境では、素材と構造にこだわった部材の選定が、長期にわたる安定視聴を左右します。

アンテナラボ沖縄では、これらの細かな部材を含めて地域に最適な耐候性・耐塩害仕様を選定し、最も信頼性の高い受信環境をご提案しています。