「急にBS/CS放送が映らなくなった」「ブロックノイズが出る」といったトラブルは、衛星放送特有の電波の性質や機器の劣化が原因です。このページでは、ご自宅の受信トラブルを特定するためのチェックリストと、原因別の具体的な解決・対策方法を解説します。
1. 【原因別チェックリスト】BS/CSが映らない主な原因一覧
以下のリストで、心当たりのある原因にチェックを入れてください。原因は複数ある場合があります。
原因の分類 | よくある事象(チェックポイント) | 次の確認セクション |
---|---|---|
アンテナの物理的ズレ | 台風や強風、鳥の着地などでアンテナが数ミリ~数センチ動いた | 2-1. アンテナの向きと障害物 |
受信環境の悪化 | 南西方向に新しく高い建物や樹木ができた | 2-1. アンテナの向きと障害物 |
天候の影響 | 豪雨・台風・大雪の時だけブロックノイズが出る、完全に映らない | 2-2. 天候による電波減衰 |
機器・配線の劣化 | 屋外のケーブルやアンテナが錆びている、接続部が剥がれている | 2-3. 機器の不具合と接続確認 |
設定・契約ミス | テレビのB-CASカードが挿入されていない、またはCSチャンネルの契約がない | 2-4. 設定ミス・契約未完了 |
信号の減衰 | 新しくテレビを増やしたら、その端末だけ映りが悪くなった(分配過多) | 2-3. 機器の不具合と接続確認 |
2. 原因別の詳細解説と対策
2-1. アンテナの向きのズレと障害物の影響
BS/CS放送は、南西方向にある静止衛星からの電波を直接受信します。地デジのように反射波を利用できないため、アンテナの向きが数cmでもズレたり、障害物があると瞬時に受信不可になります。
⚠️ チェックポイントと対策
- 方向ズレ:台風後や施工不良でアンテナの向きがズレていないか、目視で確認してください。数ミリ単位の調整が必要なため、自己調整は困難な場合が多いです。
- 障害物:アンテナの皿から南西方向の視界を遮る建物、成長した樹木、ベランダの手すりなどがないか確認します。障害物がある場合、アンテナ位置の移動が必須となります。
2-2. 天候による電波減衰(降雨減衰)
BS/CS放送のマイクロ波は、雨粒や雪に吸収されやすい性質(降雨減衰)があります。特に沖縄の激しいスコールや台風時は、電波強度が低下し、映像がブロックノイズになったり、完全に映らなくなったりします。
✅ 対策
- アンテナサイズ:より高感度な大型アンテナ(50cm以上)を選ぶことで、雨天時でも一定の受信レベルを維持しやすくなります。
- ブースター:アンテナの直下にBS/CS対応のブースターを設置し、電波信号を強化することで、減衰を補います。
2-3. 機器の不具合と接続確認
屋外の機器は、沖縄の塩害・強風によって劣化しやすく、それが受信不良に直結することがあります。
⚠️ チェックポイントと対策
- ケーブルと接続部:屋外のケーブルがひび割れていないか、接続部(F型接栓)の防水キャップやテープが剥がれて内部に水が入っていないか確認してください。水が入るとケーブルや機器が腐食し、映らなくなります。
- 分配・分波:信号が弱くなる分配器や分岐器を多く通っている場合、末端の部屋で映らなくなることがあります。機器が全てS-4C-FB以上の低損失ケーブルや4K/8K対応になっているか確認してください。
- アンテナ給電:衛星放送用ブースターやコンバーターを動作させるための電源(給電)が、テレビ側またはブースター側から正しく供給されているか確認します。
2-4. 設定ミス・契約未完了
テレビやレコーダー側の設定や、契約状況が原因である場合もあります。
💡 確認項目(テレビ周り)
- B-CASカード:テレビやレコーダーのB-CASカード(またはACASチップ)が正しく奥まで挿入され、認識されているかを確認します。
- チャンネル設定:テレビのメニューから「アンテナ設定」や「チャンネル設定」を確認し、BS/CSの受信設定がオンになっているか、アンテナへの給電設定が有効になっているかを確認します。
- CSチャンネル:有料のCS放送(スカパー!など)の場合、そもそも契約が有効になっているか、料金の支払い状況を確認します。
3. 解決しない場合は専門業者へ相談を
アンテナの方向調整や、ケーブル内部の腐食、ブースターのレベル調整などは、専用の計測器(レベルチェッカー)がなければ正確な判断・修理はできません。
自己判断やDIYで無理に調整すると、かえって事態が悪化したり、高所作業で危険を伴うこともあります。
特に台風や塩害が多い沖縄では、安全と確実な受信確保のため、専門業者(アンテナラボ沖縄)へご相談ください。原因の特定から修理・交換まで、適切に対応いたします。